夏休みのような長期の休みは生活のリズムが乱れ、睡眠状態が悪くなりやすいもの。休みだから自由に...そんな油断が後々、トラブルを大きくしてしまうことがあります。規則正しい生活と上質な眠りは子どもの健全な成長に欠かせません。新学期を楽しく元気に過ごしてもらうためにも、夜更かしをさせず、早寝を習慣づけましょう!
人はもともと夜更かしになりやすい
私たちの身体には体内時計が備わっていますが、その時計は1日24時間より長い周期で動いている人が多いといわれています。そのため、大人でも子どもでも油断をすると、寝る時間が遅くなりやすくなる傾向があり、夏休みなどはその分、朝寝坊をしてしまいがち。でも、そんな生活を許していると、寝る時間がどんどん後ろにズレて、ひどくなると昼夜逆転してしまう危険があります。
でも、新学期に入ってから通常通りに寝起きさせれば大丈夫なのでは...と思う方も多いかもしれませんが、元に戻すのはそう簡単なことではありません。夜更かしや昼夜逆転生活が習慣化すると、体内時計と生活時間が大幅にズレることになりますが、そのズレを戻すためにはある程度の日数が必要になります。海外旅行に行ったことがある方なら、時差ボケはご存知かと思いますが、夜更かしを続けていると、日本にいながら時差ボケと似たような状態になってしまうことがあるのです。
睡眠覚醒リズムを動かしている時計は安易に乱れやすく、1日1~2時間は簡単に後ろにズレてしまいます。でも、体温リズムを支配している時計はとても支配力の強い主時計のため、睡眠覚醒リズムと同じようにはズレてくれません。その結果、好き勝手な生活を続けていると、睡眠覚醒のリズム、体温のリズム、ホルモンのリズムなどが同調を外れてバラバラに動くようになってしまいます。この状態を専門用語で内的脱同調といいますが、こうなると、起きようとしても起きられない、早い時間に寝ようとしても寝られない、眠りが浅くなる、だるさや疲労を感じるといった生体リズム障害を引き起こす原因に。こういった状態は睡眠クリニックでも若い患者さんを中心に増えているようです。
楽しいはずの夏休み。そんな状態にならないためには、寝坊も夜更かしもせいぜい、通常の生活時間より1~2時間ズレる程度に抑え、夏休みでも規則正しい生活を心がけること。そしてそして中学に上がるまでのお子さんについては、基本的に1日10時間は眠らせるようにしましょう!
受験生・不登校児も夜型生活は避けて
子供の場合、夏休みだけでなく、受験期や不登校になってしまった場合も注意が必要です。受験といえば夜遅くまで勉強するのが常識だと思われてきましたが、最近ではきちんと寝ることが良いと言われるようになりました。受験期はストレスもたまりやすく、運動不足にもなりがち。その上に、夜更かしや睡眠不足が続くと、体内時計が乱れ、脳機能も低下してしまうため、せっかく勉強したことが身につかない、早朝は頭が働かず力が発揮できないなんてことになってしまうことが。乱れた生活を長期にわたって続けていると、たとえ受験に成功してもその後、体調が悪くなってしまったり、やる気がなくなってしまったり...。さらには朝起きられず、ドロップアウトなんてことにもなりかねません。 できれば、夜通し勉強させるのではなく、一度寝かせて朝早めに起こし、勉強を再スタートさせるなど、体内時計に配慮した生活を身につけさせましょう。
不登校については、昼夜逆転状態になることが多いことが知られています。はじめは、学校や家庭でのトラブルなど、心の悩みで起こることが多い不登校ですが、昼より夜は、親や知人に顔を合わせないですむという心理状態から昼夜逆転となります。でも、昼夜逆転が長く続くと、体内時計が乱れてしまうため、それが二次的要因となり、朝気持ちよく起きられなくなるのはもちろんのこと、身体が思うように動かず、さらに長期化してしまう可能性も。そうなってから本人が普通の生活に戻りたいと感じても、身体を元の状態に戻すにはかなりの努力が必要なため、なかなか復帰することができなくなるという報告もあります。子どもが学校に行かなくなることは親にとってはとても心配なことですが、学校に行かせることばかり注意するのでは逆効果。まずは本人の心と寄り添い、学校に行かなくてもいいから、朝起きて夜眠る生活を約束させ、夜型にしないことが大切です。



