岸紅子さん(ビューティアナリスト) /第2回 ホリスティックビューティを通してハッピーを

benikokishi02.JPG学生時代に出会ったホリスティックという概念。岸さんがホリスティックビューティを通して伝えたい想いとは。

----「ホリスティックビューティ」について、詳しい内容を教えていただけますか。

 「ホリスティックビューティ」の価値観をひと言で表現すれば、人間の「身体」「心」と「肌/姿」というのは繋がっているよね、ということ。例えば見た目がキレイだったとしても、身体が不健康だったり、凄くイライラ、ギスギスしていたりする人には全然魅力を感じませんよね。結局はその3つのバランスが大切なのです。ホリスティックとは「全体論の=holistic」という意味。つまり部分じゃなくて全体です。美意識なども含めて、その人そのものが輝くことが必要という考え方なのです。

 私はそういった考え方を広めるNPO法人日本ホリスティックビューティ協会の代表理事を務めているのですが、その啓蒙活動の一環として、この度検定を開始することになりました。内容としては、肌のこと、身体のこと、ストレスケアとか自然療法、代替療法、予防医学など広範囲に渡っていまして、美容と健康について人間の身体、心、姿とはなんぞや? ということまで学んでいこうというものです。この学びを通じて、その人が今後何か新しい情報に触れた時に取捨選択が出来るような「基礎知力」が生まれるのではないかと思います。人はなぜ眠らなければいけないのか? 肌はどうやって生まれ変わっているのか? そういう基本的なことを知らないと、情報に踊らされてしまいますからね。

----内容としてはかなり広範囲にわたるのでしょうか。

 はい。結構な厚みのテキストを配布して、それをひと月くらいかけて読み込んでいただきながら、講義を受けていただきます。予定では、講義は15時間ありまして、それを受け終わった後にマークシート方式の試験を受けていただきます。心、身体、肌についての総合的な理解を試験するというものです。合格すると「ホリスティックビューティアドバイザー」という資格をディプロマとして発行します。

----つきつめると、自分だけでなく他者との関わりを含めて全体論的な見方が出来そうですね?

 そうです。自分の内側の事をちゃんとメンテナンスが出来ないというのは、人との関わりや社会との関わりをもっていくことも困難だと思うんですよね。まずは「修身」、つまり身を修めること、その感性が、それをもって生きるということが、とても大事だと思うのです。ホリスティックビューティの考えは、その点に通じます。肌は日々変わっていくし、食べた物で身体は出来上がっていくし、どれだけ良い眠りを経たかで目の輝きや味の感じ方も全部違うじゃないですか。そいうことにアウェア(意識的)でいられるかどうかというのが、とても大事なポイントです。

----確かに、身体や心のバランスを「全体」で考えるということは、なかなか難しそうですね。

 そうなんです。スポット的にはあったんですが、相互の繋がりがないというか、これまでには殆ど例のない、とても新しい試みだと思っています。

 かつては、自分の身体をどういう風に養生していくべきかについて、家庭の年長者からや学校などでもある程度教えてくれたり、指摘をしてくれたりしたものですが、今はそういう習慣も薄れてしまったように思います。だから、どういう風に自分の身体を扱っていいかわからないという人が結構増えているような気がするんです。自分のことなのに、なんか変だよねって思います。きちんと基礎的な知識さえ身についていれば、自分の身体が発しているシグナルは読めるはずなんです。我々の協会としては、自分の外側にばかり情報を求めるのではなくて、自分の内側にある声を引き出しましょうよ、あなたの中でこういうことが起こっているんですよ、ということを言ってあげたいのです。
 今のところ、お申し込みは女性の方が多いのですが、本当は男性の方にも申し込んでいただきたいと思っています。

----自分自身の「自然治癒力」を理解することが大事なのですね。

 そうです。「健康」というのは自然治癒力がちゃんと働いている状態なのです。何よりも自然治癒力を高める生き方をする。それが私達の言いたいことです。現代では、全てをナチュラルに、オーガニックにというのは難しいかもしれないけど、自分達は自然の一部であるということを意識することによって、物の選び方も変わってくる。自分自身が持っている自然、宇宙ということを感じながら生きることで、身体のお手入れ一つにしても、食べる物一つにしても、寝ること一つにしても、一個一個が自分を作っているんだな、と実感出来ると思うんですよ。

----そのような事をお考えになるきっかけは何だったのでしょう。

 私がホリスティックという価値観に初めて触れたのが学生時代のこと。大学の卒論のテーマも「ホリスティックビューティ」なんです。それ以来、この概念を伝えることを仕事にしたいな、とずっと思い続けていました。その後、美容業界で色々な経験をさせていただきましたが、やはり美容には大きな可能性を感じました。なぜなら、学生時代に触れたホリスティックという概念は、アロマセラピーとか、レフレクソロジーとか、タラソテラピーとかの代替療法など、結局のところ美容的な部分からでないとアプローチが難しいなという風に思い至ったからなのです。海外では、そういったセラピー関連のことは医療のサブメニューになっていたり、代替医療、予防医療として根付いていたりするところもあります。ドイツなども先進的ですが、日本ではなかなか難しい。東洋医学、漢方でさえも「アウェイ」な感がありますしね。

 かつては、アロマなどを研究していけばいくほど、その多様な世界に驚いていたのですが、その一方で、日本で展開するのはかなり難しいな、とは思っていました。でも、美容という形であれば、人はそれを受け入れやすいんじゃないのかな、と思ったのです。病気の人に健康になろうって言えば聞く耳を持ってくれるけれど、健康な人に病気にならないために、という話をしてもあんまり聞いてくれないでしょう。でも「キレイになるためにどうするか」という話なら、きっと誰にでも受け入れてもらいやすい。ああ、やっぱり美容というのは大きな可能性を持っているな、そういう形で美容のアプローチをやりたいな、と思ったのが最初です。私が興味を持ち始めた当時から比べれば、今はアロマも普及したし、タラソやリフレの施設もいっぱい出来ているし、皆がリラックスするとかストレスケアをするということが自分達のメンタルヘルスにも身体のヘルスにも大事だということが理解されてきたように思います。しかも、それらも美容の一環という受け止められ方をされているので、始めるなら今のタイミングだな、と資格検定を実施することにしたのです。
 そういう意味では、現在の仕事は、自分にとっては長年の活動の集大成でもあるのです。

----リラックスしたり、ストレスを発散したりするために実施している習慣などはありますか。

 今はこのホリスティックの活動をやっていて、正直ストレスが溜まることがまずなくて...とてもありがたいんです(笑)。もちろん困難も沢山あるんですが、それら一つ一つも意味があるというか、三歩進んで二歩下がるであっても、二歩下がることでの学びを感じていて、だからあまり無理をしてストレスを溜め込んでいるような感覚も全然ないのです。単純に身体が疲労しているとか、頭が考えすぎてパンク! というような時はあるんですけど、でもそれはまあ眠れば回復する。寝ることで解消される種類の物だな、と思います。

 でも、体が疲れたときに一番良いのは、自然にふれることですね。今は娘が小さいので難しいけど、馬に乗ったり山を歩いたりといった過ごし方は大好きです。あ、ゴルフも。あとは、リラックスのためによくアロママッサージは受けますよ。

----では最後に、今後の活動についてのビジョンをお聞かせください。

 まずNPOの目標としては、ホリスティックビューティの概念を広めるということです。その方法の一つとして検定があり、またセミナーやイベントなどを行って行きたい。それを伝えることこそが、本当に、私にとってのライフワークだと思っているのです。これをやりながら生きて行ければ幸せとまで思っていて(笑)、その意味では今ひじょうにありがたい思いです。なので、現在の仕事をずっと続けていくというのが、「今後のビジョン」かな(笑)。
(取材・文:山崎隆広/写真:森亨)

取材場所協力:ソバテリア代官山
TEL 03-6416-9028  http://www.sobateria.com/
不規則な生活を送る現代人が、ヘルシーな食生活を送るようになった昨今、「蕎麦」は健康を意識する老若男女から熱い注目を集めている。その中でも蕎麦の元祖「十割蕎麦」を、気軽にお洒落に楽しめる蕎麦屋+カフェテリア 。


岸紅子(きし・べにこ)
ビューティアナリスト。NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事(HP)。大学在学中に化粧品ブランドの立上げに参画する傍ら、集英社MOREの読者モデル、ファッションサイトの美容ライターとしてもキャリアをスタート。卒業後起業し、2000年に美容サイト「ビエナ(www.biena.net)」をオープンする。美容家としていち早く、ホリスティック(包括的)ビューティのメッセージを発信。トークショーをはじめ、多くのメディアで「姿・体・心」のバランスの大切さと調整法を伝えている。

 
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