
安心と安全が保証された国、モナコ。デューク更家さんはモナコ公国にお住まいを持っている。日本とは時差8時間のモナコとの往復を毎月のように重ねてすでに8年。まずはインタビューの前日に「再来日」されたばかりというモナコという国について語っていただいた。
モナコと日本の違いはなんといっても気候です。年間300日は晴れてるんじゃないかな。とにかく暖かくてね、日差しが日本とは全然違いますよ。モナコといえば王家が有名ですが、その国力はすごいものがあります。まず税金がありません! ただ国とはいえ、国土の広さは東京ドーム6〜7個分くらい。いわば都市国家なんです。
そして居住者にとってすごく重要なのが、モナコはとても安全な国であるということ。モナコと言えば「カジノ」というイメージをお持ちの方も多いと思いますので、安全という言葉は馴染まない気がするかもしれません。でも、モナコには世界中の富豪たちがギャンブルにやってきます。それは、ダーティーな街では実現しえないこと。なので、日本では考えられないことが実施されています。これは住んでみなければ分からないんですが、監視カメラの数がすごいんです。見える範囲で4千台、そして私たちには見えない隠しカメラが2万台あると言われています。これは、道なりに5メートルおきに監視カメラがあるという計算になるそうです!
モナコは住むことが世界でもトップクラスで難しい国。居住者ではない人間が国に入って出て行くまで、全て監視されているという説もあります。以前私がクレジットカードを落としてしまったことがあって、なんとその時、警察は、私の家ではなく、私が遊びに行っている場所までそれを届けてくれたんですよ! 落としたカードを発見するのと同様、私がどこにいるかもすべてお見通しというわけです。
ちょっと怖いと思われるかもしれませんが、裏を返せばこれほど安全な国もないということ。私にとってなにより大切なのは家族が安心して暮らせることです。特に子供が安心して学校に行き、家に帰り、遊んでいられることほど大切なことはないと思います。
モナコに移住したのは家族のことを考えてということがありますが、特に子供の教育への配慮がありました。当初、子どもたちは現地のインターナショナルスクールに通っていましたが、現在ではモナコ大学に入学しています。すごいのは言語です。彼女達は日本語・英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語と数カ国語を習得して、日常の中で普通に使っています。だから姉妹げんかは英語とフランス語でやる。何を言ってるんだかさっぱりわからない! 私は日本語だって未だに関西弁しかしゃべれませんからね(笑)。
こういった特殊なことが日常的に存在する国ですが、モナコを一言で表すとしたら「大人のディズニーランド」でしょうか。モナコの一番好きなところはと問われたら、私は「みんなが優雅で楽しそうなこと」と答えます。つまり、モナコでは「幸せ度」が高いんだと思っています。日本でも幸せになりたいと思っている人は多いでしょう。でもモナコは違う。モナコでは「もっと幸せになりたい!」と真剣に考える人が多いんですよ。つまり日本では「幸せではない」ということがベースですが、モナコはすでに「幸せ」なんです。その上でもっと、もっと幸せを求める人たちが住んでいる。そのためには当然お金が必要です。だからもっと、もっと働かなければいけません。
国力と頑張り度
モナコの話をしてきましたが、実は幸せというのはその人の「頑張り度」の結実なのだと思っています。モナコには「頑張り度」の高い人が世界中から集まっているから、みんなとてもよく働いている、もしくは働いてきた人が多い。実は最近の日本の人たちを見ていると、仕事をあまりしていないんじゃないかな、と思えることもあるくらいです。もちろん日本人は実直で勤勉なのですが、その割には仕事の「量」が足りないような気がする。
一生懸命仕事をしていないと、深く眠れない
実は、私は一日に3〜4時間くらいしか眠りません。けれど毎日昼寝をします。大体30分間くらいなんですが、私の中ではこれの熟睡度が大変に高い。夜の就寝前と朝の起床後は必ずベッドの上で瞑想をして、自分をコントロールします。とにかく私は、寝ている時間が「もったいない」と思ってしまうんです。和歌山の田舎から今のモナコに住むまで、とにかく人の何倍も働いてきました。起きていないと働けないので、一日に20時間は起きていたいんです! もう25年間くらいこんな生活を続けていますが、ただ、さすがに一年に一度は死んだようにずーっと寝ている時がある。8時間以上寝ていると、妻が「本当に死んでるんじゃないか?」と思うらしく、心配して様子を見に来ます。
眠りを意識する
睡眠環境はとても大事にしていますよ。ベッドも布団も枕も、すべて自分にとって最高のものを用意する。モナコだけでなく日本にも家はありますが、どちらも4人寝られるサイズのベッドを(自分一人用に)置いています。上に掛けるのもシルクです。僕はどの部屋よりもベッドを一番きれいにします。普段はお手伝いさんがベッドメイクしておいてくれるのですが、ベッドメイクされていないベッドに入るのはいやなんです。
枕は薄いものが好みですね。今は先輩からいただいた菱形の枕を使用しています。ガウンにもこだわります。お気に入りのガウンも3色くらいありますが、毎晩どれを着て寝ようと考えます。カッコ良さも「眠い」の興味の対象です。ベッドサイドの小物にも凝っています。
そして、寝る際には真っ暗にはしないということも意識しています。朝は光を感じて起床したいので、カーテンは閉めません。窓から朝の光が差し込んで、日の出と共に目が覚める。そんなことを常にイメージして寝て、そしてイメージ通りに起きる。これによって、時間が少なくても充実した睡眠となっています。朝起きた時に光が入ってくると、脳が明確になりますね。窓の外での晴れだな、雨が降ってるな、という情報が頭と身体に入る。自然をありのままに感じながら寝ていたいんですね。自然との一体感が重要だと思っています。
眠ることを大切にしている
深夜12時くらいに就寝したら、早朝3〜4時に起床するという感じです。目覚まし時計なども一切使いません。でも酒呑みなので、夜を長く使いますね。私は遊ぶのも大好きだから、できるだけ夜という時間を楽しみたい。でもそれは裏を返せば、眠ることを大事にしているから出来ること。長く寝るだけが「良い睡眠」というわけでないと思っています。
たとえば私の妻は8時間くらい寝る。彼女は長く寝ることを幸せだと感じているわけです。そこでの価値観は違うけど、睡眠を大事だと思う気持ちは一緒なんだと思います。
箸休めとか気休めとかいろいろな「休め」がありますが、身体も休めることが必要です。僕は骨休めを大事にしているので、「寝る」よりも「身体を横たえる」ということを原点にします。眠れない人には「寝よう」としないで「骨休めと思ってとにかく横になること」を勧めます。そして寝る際にも「骨休め、骨休め」と口に出してから寝る。そうすると寝ることへの強迫観念みたいなものがなくなって、かえってはやく寝てしまうことが出来る。「骨休め」という感覚を持っていることが私の睡眠の大事なコンセプトになっていますね。ちなみに寝る時は絶対に一人です。人が横にいると落ち着かなくって......。
ただし、子供とだけは一緒に寝ますね。一緒にいる時間が少ないから、できるだけ同じ時間を過ごしてあげたいと思っています。
睡眠改善インストラクターの一言
「寝る」よりも「骨休め」。この感覚はとても大切だ。前提として「よく働き、よく動く」というデュークさんの生き方も併せると、「眠れない」という事態からは遠く離れて生きていけるのではないだろうか。おそらくショートスリーパーであろうデュークさんだが、眠りを大切なものと意識しておられるのは流石である。睡眠環境に関するこだわりのお話から意識の高さがひしひしと伝わってきた。
(後編に続く)
デューク更家(でゅーく・さらいえ)
1954年、和歌山県新宮市生まれ。ファッションショーの演出およびプロデュース、モデルへのウォーキング指導を手がけた後、1993年から一般向けのウォーキングレッスンを開始。細胞を活性化させ、心身を整え、健康で更に美しい身体に作り変える独自のウォーキングエクササイズを確立。「歩く量や時間ではなく歩き方の質」や「歩くことで道徳を伝える『歩育』」を提唱すべく全国各地で活動中。



